2008年6月17日火曜日

本ワークショップについて

本ワークショップ(WS)は、「若手研究者研究活動
助成金」を得て開催される「企画・実践」科目である
と同時に、関心のある誰もが自由参加できる場です。

このWSは昨年度のWS「映像と人類学:映像コミュ
ニケーションの可能性」の成果と反省を踏まえた
継続企画です。本年度は学外から映画監督
プロデューサー、人類学者など、関連諸分野で
勇躍する方たちを招聘し、作品上映と講義を通じ、
映画/映像と人類学の関係を再考します。

今回とくに取り上げたい問題は、映画・映像特有

のリアリティ、その経験のモード、身体感覚、そして
映像制作や上映の現場に生ずる政治学的・芸術論的・
存在論的諸問題などです。

作品上映および招聘講師・参加者の忌憚ない議論を

通じ、制作者・研究者の立場によって視聴経験・意味
づけが規定されがちな現状を打破し、学問領域、作品
ジャンル、あるいはフィクション/ノンフィクションといった
既成の枠を超え、映像実践と研究の融合に向けた新たな
視座を獲得できるような場にしたいと思います。

招聘講師4名による全5回を予定しています。各回ともに

講師の関心・専門に沿った個別のテーマを設定し、
さまざまな角度から映画的経験を照射します。

各回、映画上映を含む180分の1回完結形式です。
どの回からでもご自由に参加いただけます。

研究分野や内容問わず、幅広い皆さまのご参加を

お待ちしております。



第一回 観察という「自他」の変容―映像と人類学の接触領域

2008年6月21日(土)午後3時〜 東本館大教室


 ■講師   : 新井一寛氏
          (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究科研究員)

 ■上映作品: 『同居とカメラ』(38分)(監督:新井一寛)
 

 『同居とカメラ』は、映像実践-撮影・編集・上映-の

 あらゆる現場で、撮影者と被撮影者のコミュニケー
 ションそのものを映像化しつつ制作されている。
 そうした映像実践の経験と「現実」の経験との錯綜した
 関係は、「私」の経験として、不可避的に相互反照的
 かつ相互侵蝕的に作用するのだろうか。


<主催者よりWSご参加にあたっての注意>
 新井氏はこれまで、研究会等で上映中およびディスカッション
 中に参加者に向けて前方よりビデオカメラを回し、その様子を
 作品に組み込むという実験的なことをされています。

 今回も同様に撮影されると共に、WS主催者も、後方から前方
 に向けてカメラを回すため、撮影されたくないという方は、カメラ
 のフレームに入らない指定の場所でご参加いただくことになります。

 上映中に撮影された映像は、後日、同作品に組み込まれる予定です。


<新井一寛氏の経歴>
 1975年生まれ。埼玉県出身。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究
 研究科にて博士号(地域研究博士)取得。現在、同研究科研究員。
 エジプトにおけるイスラームのスーフィー教団を研究。また、現在の
 メディア状況における、研究上の映像実践の有効性、問題点について、
 実践的に研究している。

<『同居とカメラ』上映場所(2007年〜2008年)>
 映像都市研究会・映像社会学研究会合同研究会、シンポジウム
 「『あつめる』から『ひらく』へ」、京大北部祭フィルムフェスタ08、
 自宅(数回)、京都府内カフェ(映像なんでも観る会)など。

 (文章:古川優貴)